意気込みは大学の地域貢献の中核に
小原 達朗(教育学部教授)
この度、思いもかけず長崎大学生涯学習教育研究センター長の任を背負うことになりました。その資格があるのか改めて自分の生涯学習に関すると思われる経験を顧みますと、教育学部の教育実践総合センター専任教員の立場から子どもの居場所づくりや体験活動を支援することで地域教育にかかわってきたことが当てはまるようにも思われます。直接の生涯学習教育研究センターとのかかわりでは生涯学習叢書に2回ほど執筆の機会を与えていただき、平成17年度を含めてこれまで4公開講座の講師を経験しているようです。しかし、これらは生涯学習教育研究センターの事業・活動のごく一部であり、年間の業務を概観してみると公開講座をはじめとして生涯学習叢書の発刊、共同研究の推進、公開シンポジウムの開催、主催・連携講座事業の企画運営など多くの業務を展開しており、また活動の空間的広がりにも驚いているところです。まさに学習の多様性と多面性をもっているセンターであることを実感しています。
生涯学習は、1965年ユネスコの「成人教育推進国際委員会」において「生涯教育を支援し援助する教育活動」として市民が主体的に自分の可能性を発揮できる機会をもてるように提唱されました。その後1972年には「知ることを学ぶ」「為すことを学ぶ」「共に生きることを学ぶ」「人間として生きることを学ぶ」という4テーマを生涯学習の目標として掲げています。1980年代後半にはわが国においても生涯学習を推進するような施策や法律の制定に取り組まれ、日本型の行政やカルチャーセンターを中心としたバラエティに富み趣味・教養を内容とする幕の内弁当型の生涯学習が展開されてきたようです。
大学が取り組むべき生涯学習も、この流れの中にあって「知るために・為すために・共に生きるために・人間として生きるために」学ぶ目標はなんら変わることはなく、むしろこの目標を生かすような取り組みの先頭に立たなければならないと考えています。
長崎大学の存在理念のひとつに「地域貢献」があげられています。各学部や図書館あるいは共同教育研究施設では、そのために人の活用、所有する物の活用、知識・技能や情報の活用などをとおして様々な地域貢献が行われてきたことは周知のとおりです。生涯学習教育研究センターは、その事業・活動から分かるようにセンター独自の活動と共に長崎大学のもつ多くの機能を取りまとめて地域に紹介したり、地域や社会の問題を大学教員に投げかけて住民と共に考える場や機会を設けるための接点になってきたといえます。その一方で私自身もそうでしたが、活動の全体像がなかなか見えていませんでした。これからの生涯学習教育研究センターの役割を考えるとき、ひとつにはこれまでの大学と地域の接点づくりとセンター独自の活動を大学内外に広く知ってもらい、さらなる活用を図ることと、ふたつ目は大学の法人化を契機に新たな生涯学習のあり様を打ち出すことを目標にしたいと考えています。これらの目標が実現したときに、生涯学習教育研究センターはこれまで以上に長崎大学の地域貢献の中核として機能することができるのではないかと意気込みだけはもっています。
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